大マダガスカル紀行 第十話
「トゥリアラでシーラカンスに会いに行く」

過酷だったFCE鉄道の旅を終えて、次に向かったのはマダガスカル南部の主要都市トゥリアラ。

モザンビーク海峡に面した海岸都市の周辺には、オーストラリアのグレートバリアリーフに次いで世界第二の規模でサンゴ礁が広がっていて、ダイビングやシュノーケリングに最適な場所としても有名。

そしてこの街には日本ではまずお目にかかれないお宝に会いに行けるのだ。

フィアナランツォアを朝7時に出発したタクシーブルースは、ちょうど12時間ほどでトゥリアラに到着。途中の景色は絶景の連続だったが、マダガスカル旅行の半分くらいは移動で費やされているような気がしてくる。

街の中心近くにホテルを取ったつもりだったが、この街も他と同様に夜になると真っ黒になって、気をぬくと迷子になりそうになる。初日は近くで簡単な夕食を済ませただけで、宿に戻った。

翌日、早速この街の目玉に会いに行ってきた。

宿から歩いて30分ほどの場所にある海洋博物館。

金持ちの大学生が住んでそうな2LDKくらいの広さの博物館だが、ここにはホルマリン漬けのアイツがいる。

そう、ここはモザンビーク海峡に接した街ということもあり、時々、シーラカンスが取れちゃうのだ。

そしてこの博物館には1995年にマダガスカルで見つかった最初のシーラカンスがホルマリン漬けにされていて、その個体の体内にいたベイビーたちも同じく観察できる。

惜しむらくは、現在は研究施設としての役割が主になっているため、撮影が禁止されているということ。

しかしその事実を聞いた僕があまりに悲しそうな顔をするものだから、案内役のマダムが「特別に」一枚だけ写真を取っていいと許可をくれた。

ホルマリン漬け以外にも剥製も数体あって、他にもウミガメやマンボーやエビとかナマコとか、いろんな剥製があったが、やっぱりシーラカンスだった。

近くから見るシーラカンスはやはり生きた化石と呼ばれるにふさわしいほど、奇妙な存在感を放っていた。

長い間、それとは知らずに漁民たちはこの生きた化石を、食べたりもしていたという。どんな味なのは知りたいけど、きっと不味いんだろうな。

そんなわけで、トゥリアラ最大の見所は「会いに行けるシーラカンス」で決定なのだ。

<スポンサーリンク>

トゥリアラの宿

Hotel Manatane

シングル一泊 33,000アリアリ(トイレ、シャワー付き)

wifiあり(結構早い)

海に面したホテルで部屋も綺麗。

近くには似たようなホテルが並んでいる。

海洋博物館

入館料 10,000アリアリ

シーラカンス、それに尽きる。


この記事を発信します。
<スポンサーリンク>

【運営者プロフィール/Profile】

ガジェットが好きなただのおじさん。ご入用の場合は問い合わせページより連絡ください。




旅の青春小説
ユーラシア365 中国・チベット編

飛行機を使わずにユーラシア大陸の果てまで行けるだろうか……。
新時代の春、 <僕>はフェリーに乗って長い旅に出た。急成長を遂げる中国を舞台に、怪しい旅人との出会い、自由の高揚と旅の感傷、チベットの光と影、そして一生に一度のそれぞれの旅……。
青春の影を引き連れて、365日にわたる大陸横断の旅が今、はじまる!