大マダガスカル紀行 第三話
「アンツィラべで温泉に浸り心と体の傷を癒す」

正面衝突の事故の後、アンツィラべに到着した僕はすぐホテルに直行した。

選んだのは街の中心になる「Hotel Hasina」。一番安い部屋で一泊45,000アリアリだが、事故後ということもあり、グレードの高い一泊60,000アリアリのツインの部屋を取ることに。

荷物を置いて、まずは体を点検。

左の脛からちょっと出血していて打撲痕が青くなっていた。気のせいか肩と首も少し痛い。

でもそれ以上に心が痛い。

カメラバックから機材を取り出し、一つ一つチェックしていく。

もちろん奇跡は起こっていなくて、メインカメラと望遠レンズは完全に死亡。ストロボの動作も安定しない。

それでも他のレンズとサブカメラは問題なさそうでひとまず安心する。

そしてこの旅、最初のルビコン川、つまりパソコンが生きているのか、それとも死んでいるのかをチェックする。

仮にパソコンも壊れていたのなら旅の続行は不可能。日本にとんぼ返りするしかない。

祈りながらMacBookPro15inchの電源を入れると、ちょっともったいぶった後にリンゴマークが現れた!

生きていたか、マック!

不思議だけどなんか得した気分になった。まだ旅は続けられそうだ。

しかしやはりメインカメラと望遠レンズの変わり果てた姿には心が痛んだ。

実は本来ならカメラとレンズは分離した状態の方が荷物もコンパクトになり運びやすいのだが、アンタナナリボから南に走る通称「サザンクロス街道」は景観が良いことでも有名で、途中で撮影することもあるかなと考えて、メインカメラと望遠レンズを付けたままにしていたのだ。

もし、いつものようにカメラとレンズを分離していれば、おそらく実害はほとんどなかったはず。

そう思うと本当に悔しいし、苦しい。

こんな時は気分転換でもしたいところだけど、マダガスカルの地方都市にはバッティングセンターもなけれカラオケボックスも映画館もない。

あるのは温泉くらい…….。

・・・・・

・・・・

そう、なんとアンツィラべには温泉が湧いているのだ。

温泉って不思議ですよね。それだけでテンション、上がるんです。

ということで旅がはじまっていきなり絶望の淵に落とされた僕でしたが、アンツィラべの温泉で心と体の傷を癒したのだった。

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アンツィラべの安宿

Hotel Hasina

一泊シングル 45,000アリアリ(シャワーは室内、トイレは共同)

一泊ダブル 60,000アリアリ(シャワー・トイレ室内、テレビあり)

Wifiあり(速度十分)

部屋もホテルも綺麗で居心地もいい。

Hotel Baobab 

Hotel Hasinaの隣にある安宿。

一泊シングル 35,000アリアリ(シャワー・トイレ室内)

部屋は暗く、典型的な安宿。Hotel Hasinaと比べるとワンランク落ちるが、別に問題もないレベル。

Wifiあり(そこそこ早い)

アンツィラべの温泉情報

個室に湯船が置かれているプレイベート温泉スタイル。

マッサージもあり。

タオルや石鹸の貸し出しはないので、持参すること。

硫黄のいい匂いがする。

最初の時は4,000アリアリを徴収されるも、2回目は2,000アリアリ。

一回あたり15分。おそらく初回時は誤って30分を購入したのかもしれない。

15分経つと係員が呼びに来てくれる。

https://youtu.be/2Q3dFF5JatY


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